シックデイのとき、糖尿病治療薬はどうするの?

糖尿病では、シックデイに注意が必要です。
シックデイについては、こちらをどうぞ。
今回は、シックデイ時に服用中の糖尿病治療薬をどうすれば良いのかをお伝えします。
注意していただきたいのが、
あくまでも一般的な対処法になるので、
最も良いのは、担当の先生と独自のシックデイルールを決めておくことになります。
今回はこんな内容です!
1.シックデイ時、薬はどうするの?
シックデイ時は、血糖コントロールが不安定になります。
そのため、普段飲んでいる薬を調整しなければいけないことがあります。
対応は、1型糖尿病、2型糖尿病で異なるので、注意です。
①1型糖尿病の場合
1型糖尿病では、カラダの中でインスリンをつくることができないので、インスリン注射が行われます。
インスリンは食事によって上がった血糖値を下げるだけでなく、日常的に血糖値をコントロールする役割があります。
インスリンが行っている日常的なコントロールが、ヒトの生命を維持するためには必要不可欠です!!
インスリンをつくることができない1型糖尿病の方は、
食事がとれなくてもインスリン注射を継続!
ということが原則となります。
一般的には、自分で定期的に血糖を測定しながら、効果発現が早くて作用が短い(超速効型や速効型)インスリン注射を調整しながら使用することが行われます。
あらかじめ担当の先生と相談しておくことが重要です!!
②2型糖尿病の場合
2型糖尿病の場合は、使用している薬によって対応が異なってきます。
・インスリン注射
2型糖尿病の方で、インスリン注射を使用しているときは、基本的に1型糖尿病の方と同様の対応をとります。
・インスリンを出させる薬(SU薬、速効型インスリン分泌促進薬)
糖尿病治療薬の中には、インスリンの分泌を促すような薬があります。
これらの薬を飲むとインスリンが強制的に分泌されるので、食事がとれないと低血糖になる可能性があります。
一般的には、食事の量に応じて薬の量も調整されることになります。
食事がまったくとれない時は、薬も中止する場合もあります。
・インスリンの抵抗性を改善する薬(ビグアナイド薬、チアゾリジン薬)
インスリンの抵抗性を改善する薬は、低血糖が起こりにくいといわれています。
ですが、一般的に食事量に応じて薬の量が調整されます。
食事量が普段の半分以下だと薬が中止される場合が多いです。
ビグアナイド薬は、重大な副作用に乳酸アシドーシスと呼ばれる症状があります。シックデイ時は脱水症状を起こしやすく乳酸アシドーシスに陥りやすい状態であるため、特に高齢者や腎機能が悪化している方では注意が必要です。
・ブドウ糖の吸収を抑える(遅くする)薬(α-グルコシダーゼ阻害薬)
糖尿病の薬の中には、ブドウ糖の吸収を遅くする薬があります。
この薬は食事による血糖値の上昇を抑える役割をもっているので、食事ができなければ飲んでもほとんど意味がありません。
・食後のインスリン分泌を増やす薬(DPP-4阻害薬)
糖尿病の薬の中には、食事による血糖値の上昇に応じてインスリンの分泌を増やすように働くものがあります。
食事ができない場合は、服用してもほとんど意味がないと考えられます。
・SGLT2阻害薬
最も新しい薬で、ブドウ糖を強制排泄させる反則技のような薬です。
おしっこの量が増えてしまうので、脱水に陥りやすくなってしまいます。シックデイ時は、原則、休薬します。
2型糖尿病の場合は、服用している薬によってそれぞれ対応方法が異なってきます。
まとめ
シックデイ時、糖尿病治療薬ごとに対応方法が異なります。
一般的なルールはありますが、杓子定規的な対応は危険が伴う可能性があります。
あらかじめ担当の先生と相談しておき、もしもの時に備えておくことが重要です。
以上、今回は糖尿病治療薬のシックデイルールについてでした。