家族性高コレステロール血症の治療

 

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はじめまして、薬剤師の浅井です。
人生を幸せにおくるためには、健康とお金が大切!
という思いで、税理士資格を取得(大学院修了後)し、現在、CFPの勉強中。
このブログでは、健康に関する情報とお金・ライフプランニングに必要な情報をお伝えしていきます。

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浅井秀星




 

家族性高コレステロール血症は、

若年層から動脈硬化性疾患が発症する可能性があり、

生活習慣の改善、薬物療法などを含めた、

総合的な管理が必要になってくる、注意が必要な疾患です。

 

家族性高コレステロール血症は、

遺伝子の異常が原因で発症します。

家族性高コレステロール血症とは?原因とタイプを知ろう

 

「遺伝子の異常だったら、どうすることもできないの?」

「どういう治療をすればいいの?」

 

現在、

家族性高コレステロール血症に対して様々な治療が行われています。

 

今回は、家族性高コレステロール血症の治療についてみていきたいと思います

 

 

1.家族性高コレステロール血症の治療

 

家族性高コレステロール血症は、

比較的若い頃から冠動脈疾患を発症する可能性があるため、

動脈硬化性疾患の発症予防や早期発見が重要なカギを握っています!

 

子どもの頃から専門医に調べてもらう

ことも一つの方法です。

 

 

1)生活習慣の改善

 

食事や運動などの生活習慣の改善はもちろん必要です!

 

ですが、

遺伝子の異常は生活習慣の改善だけでは効果が得られにくいのが現状です。

そのため、ほとんどの場合で薬の使用が必要になってきます。

 

ただし、

生活習慣の改善は、重要な役割を担っています!!

 

 

動脈硬化性疾患の予防には、

コレステロールだけでなく、肥満、喫煙、糖尿病など

その他の危険因子も総合的に管理していくことが必要になってきます。

 

生活習慣の改善は、

肥満や糖尿病、高血圧などの危険因子を管理するために、

非常に大きな役割を果たします!!

 

 

2)薬物治療

 

薬による治療では、コレステロールをつくる反応を抑える薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬)であるスタチン系の薬剤が第一選択薬として用いられます。

 

スタチン系の薬剤は、用量を増やせば効果が増しますが、用量に応じて2倍、3倍というような効果を得ることができません。

(6%ルールみたいなものが存在して、用量を2倍にしても効果は6%しか上がりません。当然、副作用は増えます!!)

 

効果不十分な場合やスタチン系の薬剤を用いることができない場合は、

他の薬剤を併用したり、検討したりします。

 

他の薬剤としては、

・コレステロールの吸収を抑える薬:ゼチーア®(エゼチミブ)

・胆汁酸の再吸収を抑える陰イオン交換樹脂:コレバイン®(コレスチミド)など

・胆汁酸の排泄を促進する薬:ロレルコ®(プロブコール)

など

が用いられます。

 

プロブコールは、

眼瞼黄色腫やアキレス腱黄色腫の軽減にも効果が期待できる

とされています。

 

 

 

3)LDLアフェレーシス

 

ホモ接合体タイプでは、

薬物の治療効果がほとんど期待できないといわれています。

 

そのため、LDLコレステロールなどを血液中から取り除くLDLアフェレーシスと呼ばれる特別な治療が、小児期や青年期から行われます。

 

LDLアフェレーシス:

血液を体内から体外へ出し、血球成分と血漿成分を分離したのち、血漿成分に含まれるプラスに荷電したLDLコレステロールを、マイナスに荷電したビーズに吸着させることで取り除いた後、再び体内に戻す治療法。

LDLのほかにも、プラスに荷電した炎症を悪化させる物質や血液を固まらせる物質、血管を収縮させる物質、血管から蛋白がしみ出やすくなる物質などを吸着して取り除くことが報告されています

「大阪大学腎臓内科ホームページ」

 

透析と似たようなイメージをするとわかりやすいと思います。

 

 

・LDLアフェレーシスの適応対象者

 

家族性高コレステロール血症の方は、全員この治療を受けられるというわけではありません。

 

○ホモ接合体タイプの家族性高コレステロール血症

○ヘテロ接合体タイプで重症な場合

○薬物治療に反応しない閉塞性動脈硬化症

 

その他にも、単状糸球体硬化症全身性エリテマトーデスにも適応を有する場合があります。

 

とっても難しいですよね。

難しい病気でしか使うことができない治療ということです!(汗)

 

 

・LDLアフェレーシスの効果

 

LDLアフェレーシスによって、

LDLコレステロールを60~80%も減少させることができるそうです。

 

ものすごくLDLコレステロール除去効果が高いといえますね!

 

 

ただし、LDLコレステロールを処理できない体質は変わらないので、

治療終了後2週間以内には元の数値に戻ってしまうそうです。

 

薬物治療を併用することで、

元に戻るスピードを遅くすることができる場合があるそうです。

 

 

LDLアフェレーシスを行うことによって、

致死性の心筋梗塞の発症が明らかに少なくなることが報告されています。

その他にも、血管の拡張冷えやしびれの改善などがみられることがあるそうです。

 

 

・頻度

 

ホモ接合体タイプでは、

毎週1回以上行うことが望ましいとされています。

 

ですが、お金などの経済的要因や仕事や医療機関といった環境的要因などを考慮しながら行われていることが実態です。

 

1回の治療は、2~3時間で終わります。

 

 

・費用

 

ホモ接合体タイプの家族性高コレステロール血症は、

厚生労働省が指定する特定疾患に該当するため、

医療費の助成を受けることが可能となります。

 

また、LDLアフェレーシス治療は保険診療が可能です。

ただし、保険の適応範囲内で行うためには、

疾患ごとでLDLアフェレーシスを受けることができる回数が決まっているので、

しっかりと確認することが必要です。

 

○家族性高コレステロール血症

週に1回が限度

(治療を受けるための条件が必要)

 

○閉塞性動脈硬化症

3ヶ月に限って10回を限度

(治療を受けるための条件が必要)

 

○単状糸球体硬化症

3ヶ月に限って12回を限度

(治療を受けるための条件が必要)

 

○全身性エリテマトーデス

月に4回が限度

(治療を受けるための条件が必要)

 

 

・副作用

 

血液の体外循環が行われるので、血圧の低下に注意が必要です。

また、内服薬によっては使用してはいけないものもあるので、

薬を飲んでいる場合は必ず担当医に伝えるようにしてください!

 

 

4)治療目標

 

成人ヘテロ接合体タイプ:

LDLコレステロール < 100mg/dL

(到達しない場合、治療前値の50%未満)

 

小児ヘテロ接合体タイプ:

治療目標の明確な基準は未だ確立されていない

 

ホモ接合体タイプ:

ヘテロ接合体タイプよりも動脈硬化性疾患の発症確率が高いので、

可能な限りLDLコレステロールを下げることが望ましいとされています。

 

 

 

2.ホモ接合体タイプに対する新薬登場!!

 

去年の12月、

ホモ接合体タイプに対する待望の飲み薬が発売されました。

 

ジャクスタピッド®(ロミタピド)

 

服用方法:1日1回夕食後2時間以上あけてから

投与量:5mg

(効果不十分なら、2週間以上あけてから10mgに増量、再増量が必要な時は、4週間以上あけて段階的に20mg、40mgと増量)

 

 

薬の効果があまり期待できないとされていたホモ接合体タイプの患者さんに対して、

LDLコレステロールの減少効果を示すことができています。

 

しかし、下痢や悪心、嘔吐といった胃腸障害や肝機能検査異常などの副作用が85%以上で発現するという諸刃の剣(汗)

 

重篤な副作用としては、

肝炎肝機能障害などがあがっています。

 

まだまだ使用数が少ないですが、

今後、効果と副作用のバランスをみながら

薬の使用が検討されていくと思います。

 

 

まとめ

 

家族性高コレステロール血症では、生活習慣の改善に加えて薬物治療が必要となります。

LDLアフェレーシスと呼ばれる血液循環治療が行われることがあります。

最近、ホモ接合体タイプの新薬が登場しました。

 

 

家族性高コレステロール血症を含めて、

世の中には自分の力ではどうすることもできない病気があります。

そんな時、薬は大きな力を発揮してくれます。

 

僕は、それが本当の薬の使い方だと思っています!

 

 

ジャクスタピッド、今はまだ副作用も多くて使いにくい薬かもしれません。

しかし、今後のホモ接合体タイプの治療に大きな一歩を踏み出す薬になると思っています。

 

 

一薬剤師として、

本当に困っているヒトを助けることができる薬の登場を期待しています!!

 

 

 

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