動脈硬化は万病の元!脂質異常症との関係は?

今まで病気を知ろうシリーズでは、
高血圧、糖尿病と見てきました。
どちらも血管への影響があり、
それが動脈硬化へとつながっていきます!
動脈硬化とは、その名の通り、
動脈が硬くなってしまうことです。
輪ゴムをイメージしてみてください。
輪ゴムが劣化するとボロボロになりますよね。
伸びないし、
切れちゃうし、
同じようなことが動脈(血管)で起こる、
それが動脈硬化です。
輪ゴムと同じように、
血管が破れやすくなったり、
弾力がなくなったりします。
今回は、そんな動脈硬化についてお伝えします。
今回はこんな内容です!
1.動脈硬化はどうしていけないの?
ヒトは年齢を重ねると老化しますよね。
血管も同じで、
年齢を重ねるうちに老化して弾力を失っていきます。
動脈硬化は歳を重ねるに連れて進んでいく
ということです。
これは自然の流れといえますね。
とはいっても、この動脈硬化、
進行すると健康に対して色々な影響を及ぼします。
①心臓への影響
血管が弾力を失うと、
血液をおくるのに余計な力が必要になります。
病気を知ろう(高血圧編)
でもお伝えしましたが、
血圧は【血液の量】と【血管の硬さ】で決まります。
血管が硬くなると、血圧の上昇につながります!
それに血管が固くなると、
心臓は一生懸命血液をおくろうとします。
マラソンをイメージしてほしいんですが、
一生懸命走るとどうなりますか?
疲れちゃいますよね!
心臓も同じです。
一生懸命働くことで、疲れちゃいます!!
心臓が疲れて正常に機能しなくなってしまった状態を心不全といいます。
その他にも、
心臓が頑張った結果、大きくなってしまうことがあります。
これが心肥大です。
このように、動脈硬化が進むと、
高血圧や心不全、心肥大につながります!
(動脈硬化が先で高血圧になるのか、高血圧が先で動脈硬化になるのか、どちらの可能性もあります。どちらが先でも悪循環に陥っていきます。)
②血管が詰まりやすくなる
心筋梗塞や脳梗塞ってよく聞きますよね!
血管が詰まってしまう病気ですが、
血管が詰まってしまうと、
栄養を運ぶ血液が届かずに栄養不足を起こしたり、
細胞が死んでしまったりします。
カラダに麻痺などの様々な障害が残ることがあり、
生命に関わったりもします。
動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞などの重大なリスク因子です!
③血管が破れやすくなる
輪ゴムのイメージをしてもらいました。
動脈硬化では、血管が破れやすくもなります。
「詰まりやすくなるし、破れやすくもなる!」
もう踏んだり蹴ったりです(泣)
動脈硬化は、くも膜下出血や脳出血などの重大なリスク因子です!
2.動脈硬化の自覚症状って?
少し想像してみてください。
血管が硬くなっていて、何か症状ありそうですか?
「痛い」とか!?
「かゆい」とか!?
「なんか最近、調子が悪いんだけど、あそこの血管が硬くなってそうだな~」
みたいな話をするヒトはいないと思います。
そうなんです。
動脈硬化って自覚症状がないんです。
多くの場合、
動脈硬化が進んでしまった結果、
心筋梗塞や脳梗塞、その他の疾患の症状として気づくことになります。
そう思うと、
重大な疾患って自覚症状に乏しいから怖いですよね!
3.動脈硬化、調べる方法はある!
現在は、様々な方法によって動脈硬化を調べることができます。
①CAVI(Cardiovascular Ankle Vascular Index、動脈脈波伝播速度)
両腕と両足の血圧と脈波を測定することによって、
心臓から足までの動脈の硬さを反映します。
これによって、
血管の硬さや詰まりぐあい、血管年齢を測定することができます。
画像などによってはっきり確認できるわけではないですが、
おおまかな目安として把握することができます。
メーカーに確認してみましたが、
機械を持っている医療機関なら1,000円くらいで受けることが可能だそうです!
②超音波検査
エコー検査ってやられたことありますか?
なんかよくわからないゼリーみたいなやつを塗って、特殊な機械を当てるやつです。
そう、あの「こそばゆい」やつ!
エコー検査:
超音波を対象物に当ててその反響を映像化する画像検査法。
「ウィキペディア」
頸動脈のエコー検査をすることによって、
動脈硬化の程度を画像によって確認することができます。
この検査結果は、
脳や心臓、足などの動脈疾患と関係していることが報告されているため、
全身の動脈硬化の度合いに反映されます。
③その他の検査
その他にも、
CTやMRIなど様々な方法によって動脈硬化を調べることができます。
気になる方は、一度検査を受けられるといいかもしれません。
4.動脈硬化と脂質異常症との関係
脂質異常症(コレステロール)論争についてお伝えしました。
動脈硬化学会が出している
「脂質異常症治療ガイドライン2013年版」によると
高LDLコレステロール血症や低HDLコレステロール血症は、
動脈硬化の危険因子として位置付けられています。
しかしながら、動脈硬化学会の著名な先生が
スタチンという薬剤を使ってLDL値を下げても約70%の患者さんが、心筋梗塞を発症したというデータがある
「コレステロール最新情報」
とおっしゃられています!
「え~~~~!!!!」
って思っちゃいますよね。
この一文だけをみると、
「LDL下げるの、意味ないじゃん!」
って思わずにはいられないです。
今後、元データを確認できたらお伝えしたいのですが、
こういう表現って、病気や薬、健康食品などでよく見かけます。
たとえば、
「病気になる可能性が2倍になる!」
「これを飲むと、30%のヒトで改善がみられた!!」
みたいな
これってすごく曖昧な表現なので、
しっかりと背景を確認しなければいけないので注意が必要です。
どういうことかというと、
「何の2倍なのか?」
「何に対して30%なのか?」
ということを把握する必要があるということです!
たとえば、
「5人に1人が病気になる。」
のが、その2倍の
「5人に2人が病気になる!」
となったら大変です!!
1/5 → 2/5
実に20%の増加です!!
ですが、
「1,000万人に1人が病気になる」
のが、
「1,000万人に2人が病気になる」
ではどうでしょうか?
1/1,000万 → 2/1,000万
0.00001%の増加です(数字あってるかな(汗))。
それって、関係あるの?
って話になってきます。
でもどちらも病気になる可能性が2倍になっています!!
数字はわかりやすいですが、
数字だけで判断するのは注意が必要です!
いちおう動脈硬化学会の見解としては、
動脈硬化の予防には、LDLだけではなく、高血圧や糖尿病、喫煙などを包括的にコントロールしていくことが必要である!
としています。
「う~~ん、やっぱり脂質異常症と動脈硬化などの疾患はそれほど関係なのかな~~!?」
悩ましいです。
まとめ
動脈硬化は、様々な病気の元となります。
動脈硬化に自覚症状はなく、「サイレントキラー」とも呼ばれます。
動脈硬化は様々な方法によって調べることができます。
動脈硬化の危険因子として脂質異常症もあげられています。
動脈硬化はヒトの老化に伴う現象の一つですが、
その進行度合いは、人によって異なります。
生活習慣を見直すことが動脈硬化の進行を防ぐ第一歩です。
これは、間違いない!
少しずつ、生活習慣を見直していきましょう!