高尿酸血症。痛風と尿酸の歴史をひも解く!

「痛風」
足の親指などの関節が腫れて激しい痛みがでる症状です。
一説によると・・・
症状がでているところに、
「風」があたっただけでも「痛み」がでる
といわれていることから
「痛風」という名前がつけられたとか!?
痛風は、
高尿酸血症の合併症の一つとしてあげられますが、
痛風であることが高尿酸血症というわけではないそうです。
ですが、
尿酸値が高いと痛風の発作が出やすい!
ということが言われています。
今回はこんな内容です!
1.痛風の歴史
痛風の原因は?
という質問に対して、多くの方が
「お酒(ビール)」
と答えるのではないでしょうか。
最近では、
プリン体OFF
のビールも多く販売されていますね!
痛風は、
なんと紀元前500年くらいからその病態についての記録があるそうで、
あの有名な!?ヒポクラテスが痛風の治療に対しての記載を残されているそうです。
ヒポクラテス:
古代ギリシャの医者。紀元前460年ごろ~紀元前370年ごろ
「ウィキペディア」
ちなみに、ビールはというと・・・
なんと紀元前8000年~紀元前4000年くらいに誕生したそうで、
当時から人々に親しまれていたそうです!
もしかしたら、
当時もビールの飲み過ぎで痛風が起こっていた!?
のかもしれませんね(笑)
2.尿酸の知られざる役割
尿酸:
生物の情報とエネルギーと言う重要な役割を果たす物質の最終産物。
遺伝子を構成するDNA、エネルギーを担当するATPが分解されると尿酸ができる。
尿酸は人体の情報やエネルギーを受け持つ物質が分解されてできた老廃物。
「公益財団法人 痛風財団」
難しいですね(汗)
ヒトは進化の過程で、
尿酸を分解する酵素をなくしてしまったそうです。
(マウスやラットには残っているそうです。)
ヒトは長い歴史の中で、
必要なものは残し、不必要なものは無くす!
という進化をたどっていきます。
尿酸を分解しないように残したのは、
何かしらの意味があるのかもしれません。
尿酸は、
痛風の原因となる老廃物!
確かに、
そのような側面もあるかもしれませんが、
別の側面も存在するのかもしれません。
(1)尿酸が持つ抗酸化作用!?
尿酸には、
活性酸素を除去する作用が認められているそうです。
活性酸素は、
ヒトの老化の原因となる酸化を引き起こす原因の一つで、
ヒトは酸化によって様々な病気にかかります!!
もしかしたら、
ヒトは進化の過程で、
活性酸素から身を守るために、
尿酸を残すようにしたのかもしれません!
(2)尿酸が病気を防ぐ!?
今までの研究で、
尿酸値が高いほど、
- パーキンソン病の発症率低下
- 脳梗塞後の予後改善
などの可能性があることが報告されています!
こう聞くと、
尿酸は単なる老廃物ではないように思いますね!
また、
「尿酸は、下げないほうがいいんじゃないの?」
って思ってしまいますよね!
(3)その他の疾患とも因果関係有り!?
痛風をもっている患者さんは、
高尿酸血症のほかに
- 高血圧
- 脂質異常症
- 糖尿病
などの病気を一緒にもたれている場合が多くあります。
尿酸が高いことが、
高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病に何かしらの影響を与えている!?
という可能性も否定できません。
高尿酸血症も生活習慣病の一つですが、
そもそも生活習慣病は、
それぞれが単独で存在しているのではなく、
出ている症状が違うだけで、
根本的な部分ではつながっています!
さいごに
痛風と尿酸
その歴史を少しひも解くだけで、
ガラリと印象が変わってきます!
今まで悪者だと思っていた尿酸も
実はいいヤツかもしれません!?
病気の原因を知ることで
とるべき対応が変わってきます!
つまり、
病気を知ることが、
正しい予防や治療につながっていきます!
高尿酸血症について一緒に学んでいきましょう!!