糖尿病だと尿酸値が下がる!?糖尿病と尿酸値の関係からみる高尿酸血症を治療するためのポイント

薬剤師の浅井です!
「薬はなるべく飲みたくない!」
そう思われている方も多いのではないでしょうか。
薬を減らしたい方、病気を知ってもらうことが薬を減らすヒントにつながります!
今回は、糖尿病と高尿酸血症の関係についてお伝えします。
今回はこんな内容です!
1.尿糖が出ると、尿酸値が下がる!
糖尿病は、その名のとおり、
おしっこに糖が降りる疾患です!
おしっこに降りた糖のことを「尿糖」といいます。
個人差はあると思いますが、
空腹時の血糖値が160~180mg/dLを超えると尿糖が検出されるといわれています。
糖尿病の代表的な症状として、
- トイレの回数が増える(頻尿)
- 喉が乾く(口渇)
- 水をたくさん飲む(多飲)
などがあげられます。
おしっこの量が増えることで尿酸も一緒に排せつされて尿酸値が下がる!
と考えられています。
その他にも糖尿病の進行によって、
腎臓が正常に機能しなくなって尿酸を排泄してしまう!?
のではないかとも考えられています。
糖尿病は、
腎臓というフィルター機能を破壊してしまうんですね!
ということは、
「糖尿病になって尿酸値が下がった!」
というのは、決して喜ばしいことではなく、
むしろ、糖尿病の症状が進んでしまっていることを意味します!
検査の数値だけに一喜一憂せず、
尿酸値がなぜ下がったのか、
その理由にも目を向ける必要がありますね!
甘いものなどの糖分をとりすぎると血液中の糖(血糖)が多くなります。
これがうまく処理できないと、おしっこに糖が出ていくというイメージですね!
その処理をする限界が「160~180mg/dL」ということになります。
2.インスリン抵抗性で、尿酸値が上がる!
インスリンは、血糖値を下げる唯一のホルモンです。
内臓脂肪が増えたりすると、
インスリンの働きが弱くなってしまうことが知られています。
このインスリンの働きが弱くなってしまったことを「インスリン抵抗性」といいます。
糖尿病は、このインスリン抵抗性が大きく関わっている疾患です!
ヒトは、インスリンの効きが悪くなると、
もっとたくさんのインスリンを出すことによってカラダのバランスを保とうとします!
「質がダメなら、量で勝負!」
みたいな感じですね!
インスリンが増えると、尿酸の排せつが抑えられて尿酸値が上がってしまいます!
「あれ、糖尿病だと尿酸値が下がるんじゃなかったの?」
という矛盾が出てきますよね!
つまり、
- 糖尿病が進む過程は尿酸値が高くなる!
- 糖尿病が悪化すると尿酸値が低くなる!
ということになります。
兎にも角にも、高尿酸血症は糖尿病と深い関係があるってことですね!
3.糖尿病と尿酸値の関係から、高尿酸血症の対策を考える!
(1)水分をしっかりとる!
尿糖が出ると尿酸値が下がる仕組みとして、
おしっこの量が増えることがあげられます。
ということは、
おしっこの量を増やせば高尿酸血症の改善につながる!
ということになります。
めちゃくちゃ簡単です!
おしっこの量を増やすためには、
水分をしっかりとることですよね!
水分摂取は、高尿酸血症の治療で重要です!
(2)甘いものは控えよう!
甘いもののとりすぎは、糖尿病へまっしぐらです!
内臓脂肪が増えるのも、
甘いものなどの糖質の摂取が関係してきます。
甘いものを控えることは、
- 糖尿病の改善
- 高尿酸血症の改善
どちらにもつながってくることになりますね!
まさに一石二鳥!!
高尿酸血症の改善のために甘いものは控えましょう!
食事については、こちらもオススメです!
(3)痩せる!
肥満は、インスリンの効きを悪くする原因の一つです!
高尿酸血症との関係も認められています!
ということで、
肥満が気になっている方は、
肥満の改善が健康にとって何よりの薬です!
さいごに
今回は、糖尿病と高尿酸血症の関係についてお伝えしました。
糖尿病も高尿酸血症も生活習慣病の一つで、
それぞれを別々のものとして考えることはできません!
生活習慣病は、
日々の生活の積み重ねの結果として現れたものです!
薬での治療は、
症状を抑える対症療法と呼ばれるもので、
残念ながら、根本的な改善にはつながりません(汗)
生活習慣病の改善は、日々の生活を整えることが何よりの薬です!
生活習慣を改善することで、
薬に頼らない生活を送りましょう!