2017/02/26

高血圧の薬、Ca拮抗薬って何?

 

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はじめまして、薬剤師の浅井です。
人生を幸せにおくるためには、健康とお金が大切!
という思いで、税理士資格を取得(大学院修了後)し、現在、CFPの勉強中。
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浅井秀星

今回からは、高血圧の薬(降圧薬)についてしばらくみていきたいと思います。

 

どちらかというと専門家向けの内容になります。

復習として、読んでいただければありがたいです。

 

専門家じゃなくても、もし興味があれば、

どういうものなのかみていただくと、

薬学部でどのような教育がされているのか分かるかもしれません(笑)

 

薬には、副作用が必ず存在します。

その副作用を知ることだけでも、自分のカラダを守る上で重要ですので、ぜひ参考にしてみてください。

 

では早速、みていきましょう。

今回は、カルシウム(Ca)拮抗薬についてです。

 

1.Ca拮抗薬の特徴を知ろう

 

降圧薬の中で、最も血圧を下げる効果が高い

それがこのCa拮抗薬です。

 

血圧を下げる作用のほか、血管を拡げる作用もあるので、高齢者にも適しています。

 

また、腎血流量や糸球体濾過量の増加作用、臓器血流保持効果もあるため、腎臓などの臓器障害を伴っている方にも使いやすくなっています。

 

腎血流量とは、

腎臓を流れる血液量のことである。腎臓には1分あたり1リットル前後の血液が流れこんでいる。腎臓は血液中にある老廃物のろ過を行っており、流れ込む血液量が多すぎると処理能力を超えてしまう。そのような場合、腎臓は血管を収縮させることで血管抵抗を増加させ、血流を一定に維持しようとするのである。

「看護用語辞典ナースpedia」

 

 

糸球体濾過量とは、

単位時間当たりに腎臓のすべての糸球体により濾過される血漿量のこと。単位はmL/分、またはL/日。

「ウィキペディア」

 

 

さらに、糖代謝、脂質代謝、電解質代謝に対して影響しないと言われているので、糖尿病や脂質代謝異常を伴っている方にも使いやすいとされています。

 

そのため、多くの高血圧患者さんに対し、第一選択薬となっています。

 

つまり、

「とにかく血圧を下げたい」

ということであれば、Ca拮抗薬が一番となります。

 

Ca拮抗薬の中には、血管への作用が弱く、心臓への作用が強く、狭心症などに用いられるものもあります(参考までに)。

 

2.Ca拮抗薬はどうやって効くの?

 

これを考える前に、そもそも血圧って何かについて説明します。

改めてですが、血圧とは、動脈の壁にかかる圧力のことです。

 

そしてこれは、【心拍出量】と【末梢の血管抵抗】、言い換えると、

【血液の量】【血管の硬さ】のたった2つの要因によって決定されます。

 

だから、血圧を下げる薬ってこの2つの要因のどちらか(あるいは両方)に働きかけるものになるんです。

 

では、Ca拮抗薬は、どうやって効くのか?

 

これを作用機序っていうんですけど、これは知らなくても全く問題ありません。

興味がある方は読んでみてください。

 

Ca拮抗薬は、名前の通りCa(カルシウム)を拮抗すること、つまり、カラダの中で働いているCaの作用を妨げることによって、効果を発揮します。

 

じゃあ、

「Caってカラダの中でどんな働きをしているの?」

っていう話になりますよね。

 

興味があれば、

「血管は、血管平滑筋細胞と呼ばれる細胞でできていて、この血管平滑筋が縮んだり、伸びたりすることによって血管の太さの調節を行っています。そして、この調整に関わっているのが、Caになります。

血管平滑筋の細胞の膜には、電位依存性Caチャネルと呼ばれるものがあります。Caの通り道のことです。通常、Ca2+(カルシウムイオン)は細胞の外に多く存在し、細胞内では筋小胞体内というところに蓄えられているため、細胞内のCa2+濃度は低い状態でバランスを保っています。Ca2+は2+とあるように、細胞の外はプラスに傾いていて、細胞内は、マイナスに傾いて安静な状態になっています。

これに刺激が加わると、プラスとマイナスのバランスが逆転します(これを「脱分極」といいます。)。脱分極が起こると、Caチャネルが開き、細胞の外から内へCa2+が入ってきます。すると筋小胞体に蓄えられていたCa2+が放出されて、細胞の中のCa2+濃度が上がります。筋肉の収縮に関与するタンパク質であるトロポニンがCa2+とくっつくと、筋肉が収縮、つまり、血管が収縮します。逆にトロポニンからCa2+が離れると血管が弛緩します。

Ca拮抗薬は、CaチャネルからのCa2+の流入を防ぐことによって、Ca2+とトロポニンがくっつくことを抑え、血管の収縮を抑制するという作用です。」

作用機序がわかりやすくスライドになっていますので、参考にしてみてください。

http://www.adalat.jp/ja/home/pharmacist/basic/03/t24.php

 

 

 

簡単にいうと、血管の収縮にCaが関わっていて、それを抑えることで収縮を抑制するということです。

 

ここで、血圧に関わる2つの要因を思い出してみてください。

 

【血液の量】と【血管の硬さ】でしたよね。

 

Ca拮抗薬は、【血管の硬さ】に作用することによって血圧を下げる薬です。

このことだけでも、Ca拮抗薬の作用機序をほとんど理解したことに成ります。

 

どんなことでもそうですが、「定義」を知ることって物事を簡単に理解するために重要なんだと思います。

 

3.副作用に注意しよう

 

Ca拮抗薬は、血管を拡げる効果があるとお伝えしました。

血管が拡がると、顔が赤くなったり(顔面紅潮)、頭重感が生じたりします。

また、短時間で血圧が下がると、カラダの中で反射反応が生じて、動悸や頻脈になることがあります。

 

その他にも、歯茎の腫れ(歯肉肥厚)、歯槽膿漏の悪化、足がむくむなどの症状が現れることがあります。

 

そのむくみ、薬のせいかもしれません!

 

気になる方は、専門家に相談しましょう。

 

4.グレープフルーツは避けよう

 

「血圧の薬をグレープフルーツジュースで飲んではいけない」

っていう話を聞いたことはありませんか?

 

Ca拮抗薬は、まさにこれに該当します。

すべての血圧の薬ではありません。

 

グレープフルーツ(ジュース)とCa拮抗薬を一緒に摂ると、Ca拮抗薬の効果が強く出てしまいます。

グレープフルーツによる効果増強作用は、なんと4日間にも及ぶことがあるという報告もされているので、

「少し時間をずらせば大丈夫」

ということではなさそうです。

 

「効果が強く出るならいいじゃない」

という方もみえるかもしれませんが、

効果が強く出るということは、副作用も出やすくなる可能性が高まるということなんです。

 

だから、避けられるものは避けたほうが賢明です。

 

ここのところだけでも、ぜひ知っておかれると役立つと思います。

 

5.Caチャネルには数種類ある(専門家向け)

 

ここは、専門家以外、全く知る必要はありません。

 

Caチャネルは数種類あります。

L型:血管平滑筋に存在し、血管の収縮に関わる

N型:交換神経終末に存在し、交感神経終末からのノルアドレナリン分泌を促進する

T型:洞房結節に存在する

この3つが血圧との関係で重要であると言われています。

「よくある副作用症例に学ぶ降圧薬の使い方」

 

一般的なCa拮抗薬は、L型Caチャネルを抑制して、降圧効果を示します。

シルニジピン(アテレック®)は、N型チャネルも抑制すると言われ、ノルアドレナリンの放出を抑制することで、心拍数や心収縮力の増加を起こさないと言われています。

エホニジピン(ランデル®)は、T型チャネルを抑制することで、心拍数の増加を起こさないと言われています。

 

また、L型抑制のCa拮抗薬は、輸入細動脈のみを拡張させるのに対して、N型とT型は輸入細動脈と輸出細動脈をどちらも拡張させることによって、糸球体内圧を上昇させずに腎保護作用があるとされています。

 

まとめ

 

今回は、降圧剤の中で最も一般的に使用されるCa拮抗薬についての記事になります。

 

Ca拮抗薬の特徴は、降圧効果が一番強いということです。

血管を拡げる作用もあり、高齢者にも使用しやすい薬です。

また、糖代謝などの代謝に影響を与えないことから糖尿病などの方にも使いやすい薬です。

 

副作用には、動悸や頻脈、歯肉肥厚や歯槽膿漏の悪化、むくみなどがあるので注意が必要です。

 

グレープフルーツとの相性が悪いです。

 

「薬はリスク」といわれるように、

効果もあれば副作用もあります。

効果だけではなく、副作用も知ることで、薬との正しい付き合い方を考えていきましょう。

 

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