病気を知ろう【高血圧編;血圧は正しく測定しよう!】

血圧測定を行う習慣ってありますか?
高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)によると、
高血圧患者の77%が血圧計を持っており、高血圧ではない方でも、その40%の方が血圧計を持っている。
と記載されています。
結構、保有率が高いですね。
服薬指導をしていると、
「血圧はいつ測ればいいの?」
というような質問を受けることがあります。
今回もJSH2014に基づいて、
「推奨されている血圧測定方法」
についてお答えしていきます。
今回はこんな内容です!
1.血圧の測定は正しく行いましょう
血圧測定の方法には、診察室血圧測定と診察室外血圧測定の2つがあります。
①診察室血圧測定
診察室血圧測定は、その名の通り、病院などの診察室で血圧測定する方法です。
JSH2014に、このような記載があります。
診察室血圧は、さまざまな点で、その臨床的価値に疑問が投げかけられている。
指針に従った血圧測定は、検診や診療の現場で行われることは少なく、多くの場合、測定精度は軽視、あるいは無視されている。
え!!
血圧の測定って、いい加減に行われているの!?
もちろん、全部の医療機関がそうではないので、これを鵜呑みにするのは良くないですが、この文言をみると血圧測定がいい加減に行われているところもあるようです。ですが、指針のとおりに行おうと思うと血圧測定がすごく面倒くさくなってしまい、本末転倒なところも確かにあります。
だから、
「健康診断で血圧が高いと言われました。」
と病院を受診して、血圧測定もしないで
「なら薬を出しておきますね。」
というような医療機関は、継続的にお世話になるかどうか少し考えたほうがいい、このくらいの理解がいいと思います。
これは、よっぽどないと思いますけど。
もう一つ、
「血圧測定はいい加減だから、自分は高血圧ではない。」
という自己判断もしないようにしてください。
何かのきっかけで血圧が高い(可能性がある)ことがわかったら、
医療機関に受診しないまでも、自宅で血圧を測る習慣をつけて気をつけたり、日頃の生活習慣を見直したりする必要があります。
②家庭血圧測定
家庭血圧測定は、血圧管理を意識付けることや、
薬を服用している場合は、その治療効果を評価するのにも役立ちます。
その他にも、白衣高血圧や仮面高血圧の診断を行うことにも役立ちます。
白衣高血圧や仮面高血圧については、
に記述していますので、そちらも読んでいただけるとうれしいです。
2.血圧の測定方法
JSH2014に記載されている家庭血圧を測定する方法をすべて行うことは、ハードルが高いです。可能な範囲で行ってみてください。
使用装置
・手首での血圧計よりも、上腕での血圧計のほうが正確です。
・推奨は、上腕カフ・オシロメトリック法に基づく装置だそうです。
オシロメトリック法
オシロメトリック法は、血圧を測定する際、上腕にカフ(腕帯)を巻き、カフを加圧した後、減圧していく段階で、心臓の拍動に同調した血管壁の振動を反映したカフ圧の変動(圧脈波)をチェックすることによって血圧値を決定する方法です。
現在、家庭でよく使われている電子血圧計は、このオシロメトリック法のものが主流になっています。
「一般社団法人日本計量機器工業連合会」より
測定環境
・静かで適度な温度(暑すぎず、寒すぎず)の環境で行ってください。
・原則、足を組まずに椅子に座って、1-2分間安静にしてから測定し、測定中は会話をしないでください。
・測定前の喫煙、飲酒、カフェイン摂取は控えてください。
・カフ(腕帯、血圧計のスタートを押すとブーと空気で膨らんで圧力がかかる部分)を心臓の位置に保ってください。
測定条件
・1日2回、朝と晩に測定してください。
朝
起床後1時間以内
排尿後
朝の服薬前
朝食前
座位1-2分安静後
晩(就寝前)
座位1-2分安静後
測定回数
・1機会につき2回測定し、その平均をとってください。
測定期間
・できる限り長期間行うことが望ましいです。
・最低でも5日間(あるいは5回)は測定しましょう。
評価の対象
・朝測定値の5日(5回)以上の平均
・晩測定値の5日(5回)以上の平均
すべての測定値を評価の対象としてください。そのため、測定値の記録は、平均値だけではなく、すべての測定値を記録しておいてください。
高血圧の評価
・測定は1回では決めず、5日間以上の平均値で判断してください。
・朝晩それぞれの平均値≧135/85mmHgだった場合、高血圧と判定されます。
参考に血圧測定の方法がわかりやすく書かれたサイトを貼っておきますね。
http://www.ketsuatsu.com/measure/02.html
まとめ
血圧測定はいつ行えばいいのでしょうか、
参考のサイトにもあるように、
・決められた時間
・決められた条件
・正しい測定方法
で行うことが、望ましいです。
それでもなかなか難しいと感じられた方は、
最低限、「条件」だけ同じにして測定するようにしてみてください。
「昨日は、薬を飲む前に測定したけど、今日は薬を飲んだ後に測定しよう。」
ということでは、測定結果に大きな差が生じてしまいますからね。