2017/02/26

腎疾患の方の血圧コントロール

 

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はじめまして、薬剤師の浅井です。
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浅井秀星




 

利尿薬のところでもお伝えしましたが、腎臓と血圧には密接な関係があります。

高血圧に利尿剤!?

カリウム保持性利尿薬の特徴

 

腎臓の機能が低下してくると、高血圧の原因となりますし、逆に、高血圧が慢性腎不全の原因となります。

 

このように、腎臓と高血圧はお互いに関連しあっています。

 

 

今回は、腎臓と高血圧の関係です。

 

 

第5回.腎疾患の方の血圧コントロール

 

腎臓の機能はなんと、30歳から年々、低下がみられるそうです。

 

ただ、この低下は、極めて小さいことが報告されています。

 

 

ですが、ここに高血圧が加わると、腎臓の機能の低下度合いが10倍以上に跳ね上がるそうです!!

 

 

高血圧が腎臓に負担をかけていることがわかりますね。

 

血圧コントロールが大事だと振り返ったところで、まずは何から気をつけなければいけないのか、これをみていきましょう!

 

 

1.生活習慣を改善しよう

 

生活習慣については、以前もお伝えしたことがあります。

病気を知ろう【高血圧編;生活習慣を見直そう!】

 

様々なところに関わってくる生活習慣、実は、慢性腎不全(CKD)にも関わっていることが分かっています!

 

 

腎臓の機能を悪化させる生活習慣に、肥満食塩の過剰摂取が挙げられています。

そして、CKDの治療において、食塩制限、適正体重の維持、禁煙、蛋白制限を基本とした生活習慣の改善が最重要事項とされています!

 

①食塩の摂取

 

CKDを合併している高血圧の方は、食塩が高血圧の原因に関与していることが多く、減塩によって降圧効果が期待されています。

ただ、過度な減塩は逆に、末期の腎不全や心血管病を悪化させる報告もされているので、高血圧治療ガイドライン2014(JSH2014)ではCKD治療における食塩摂取の目安を、

6g/日未満を推奨するとし、3g/日未満への制限は推奨しない

 

としています。

 

②肥満の対応

 

肥満については、体重自体よりもその増減(変化)が原因と考えられているようです。

 

また、減量を行うことによって、短期的な腎機能の改善は認められるものの、長期的な影響については、はっきりとは分かっていないようです。

 

ただ、腎機能の程度によって、肥満が死亡と関わっていたり、心血管病とも関わっていたりする報告もされているので、肥満を改善することは意義があることだと考えられます。

 

 

生活習慣のところでも書きましたが、肥満は血圧を上げる原因でもあるので、血圧を下げる意味でも肥満気味の方は、減量をおススメします!

 

ここで注意!

減量するためといって、過度な食事制限をされる方がみえます。過度な食事制限は、カラダに必要な栄養まで不足してしまうので、ビタミン・ミネラル・タンパク質・脂質のバランスの取れた食事を心がけながら、減量を行ってください!

 

③喫煙

 

喫煙は、心血管病の原因となることが確立されています。

それに加えて、腎機能に対しても悪影響を及ぼすことが報告されています。

 

慢性腎不全が心血管病の原因の一つとなることを考えると、ダブルパンチを避けるためにも喫煙はやめましょう!

 

むしろ、ダメ絶対です!!

 

④タンパク質摂取について

 

「腎機能が低下しているとタンパク質を控えましょう。」

ということが言われます。

 

 

タンパク質をカラダで分解する過程で、カラダにとって老廃物となる物質が生成されます。その老廃物は腎臓によってカラダの外に排泄されます。これが腎臓の負担になると考えられています。

 

だから、腎臓に負担をかける老廃物を減らそうということで、その素であるタンパク質を減らそうということだそうです。

 

この理論、一見正当な気がしますが、僕は腑に落ちていません。

 

だから、しっかりと調べた上で、再度お伝えしたいと思っています。

 

ただ、標準的な目安としては、

0.6-0.8g/kg(体重)/日のタンパク質制限、軽度の腎障害であれば、0.8-1.0g/kg/日から開始して良い

「JSH2014」

とされています。

 

この時、個人的な病態やリスクには十分注意する必要があります。

というのは、タンパク質は我々のカラダにとって、無くてはならない重要な栄養素だからです。

 

 

⑤運動療法

 

運動は、血圧の低下、心肺機能の向上、ストレスの発散など様々な効果をもたらしてくれます。

 

ただ、腎機能の低下が進んでいる方は、運動によって症状が悪化する可能性があることも指摘されているので、運動の頻度や強度、腎臓の状態には十分に注意する必要がありそうです。

 

 

生活習慣の改善は、未来を変える第一歩です!

できるところから少しずつ改善していきましょう!

 

 

2.慢性腎不全(CKD)の降圧薬療法

 

CKDの方の降圧目的は、血圧を下げることで、腎障害の進展を抑制・阻止し、心血管病の発症・再発を予防すること

「JSH2014」

とされています。

 

 

降圧薬で血圧を下げることによって、CKDの進行が抑えられたり、心血管病の発症リスクが低下したり、死亡リスクも軽減されたりすることが報告されています。

 

降圧薬は、脳心腎それぞれの臓器を同時に保護する目的で、RA系阻害薬を中心とした多剤併用療法が基本とされています。

 

腎機能には、糖尿病も大きく影響を与えることから、降圧目標は、糖尿病があるかないかによって、分けられています。

 

①糖尿病がある場合

 

糖尿病がある場合の降圧目標は

「130/80mmHg未満」

とされ、RA系阻害薬が第一選択薬として挙げられます。

 

 

②糖尿病がない場合

 

糖尿病がない場合の降圧目標は、蛋白尿があるかないかによってさらに分けられます。

 

・蛋白尿がある場合

 

降圧目標は

「130/80mmHg未満」

とされ、RA系阻害薬が第一選択薬として挙げられます。

 

・蛋白尿がない場合

 

降圧目標は

「140/90mmHg未満」

とされ、第一選択薬には、RA系阻害薬の他にも、Ca拮抗薬、利尿薬が挙げられています。

 

 

なぜ蛋白尿が注目されるのかというと

・蛋白尿は、糸球体や血管の障害の指標になること(腎機能低下の指標)

・蛋白尿は、それ自体が腎機能を悪化させること

が理由としてあげられます。

 

蛋白尿がみられた方で、厳格な血圧コントロールをすることによって、腎機能の低下を抑制するのに有効であることが示されたのも大きな理由の一つです。

 

3.透析されている方の血圧コントロール

 

透析されている方の血圧コントロールについては、エビデンスが確立されていないのが現状ですが、透析前の収縮期血圧が120-160mmHgで死亡率が最も低くなるのではないかと言われています。

 

ただ、透析では血圧の変動が大きく、特殊な環境下にあるので、一概に降圧目標を定めることができません。

 

そのため、透析を行う透析医の指示に従って血圧コントロールを行うようにしてください。

 

まとめ

 

・腎臓と高血圧はお互い密接な関係があります。

・慢性腎不全の基本治療としては、生活習慣の改善が最重要なことです。

・薬は、RA系阻害薬が基本的に用いられます。

・腎機能、合併している他の病気、個々の状態をみながら使用されます。

・透析をされている方は、透析医の指示に従って血圧コントロールを行ってください。

 

 

生活習慣の改善は、様々な病気リスクを遠ざけます。

健康診断などを機に、日々の生活習慣の見直しをしていきましょう!

 

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