ウルトラマラソン挑戦記12 マラソンの着地はどこから?着地と骨盤の関係

ランニングをしていると、
「どこで着地をするといいのか?」
一度は疑問に思われたことがあるのではないでしょうか。
ドラマ「陸王」でも、「ミッドフット走行」という言葉が頻繁にでてきましたよね!
それだけ着地については、気を遣っているということのあらわれかもしれないですね。
今回は、マラソンにおける着地について一緒に考えていきたいと思います。
1.着地の仕方は、3種類!
着地の方法は、3種類にわけられます。
(()内の言葉を、本文中で使わせてもらいます。)
- かかとから着地(かかと着地) 「ヒールストライク、リアフット」と呼ばれたりします。
- 真ん中から着地(足裏着地) 「ミッドフット」と呼ばれたりします。
- つま先着地する方法(つま先着地) 「フォアフット」と呼ばれたりもします。
それぞれ特徴があります。
2.それぞれの着地を検証してみよう!
ここでは、それぞれの着地法についてイメージ図を用いて検証してみようと思います。
(1)かかと着地
かかと着地の特徴
・日本人に最も馴染み深い
馴染みが深いということは、走っていて違和感が少ないということにつながります。
ある大会では、トップランナーも含めて7割以上の方がかかと着地だったという調査結果があります。
・進む方向と逆方向に力が働く
イメージ図を見てみると、着地の反作用で進む方向と逆方向に力が働いていることがわかります。
かかと着地は、1歩1歩ブレーキをかけていることになるんですね。
これは、大きなロスになると考えられます。
・地面との接地時間が長い
かかとから着地をすると、足を地面に着けてから離れるまでの動きは、
かかと → 足裏 → つま先
というようになります。
3つの着地法の中で地面との接地時間が最も長くなることがわかりますよね!
地面との接地時間が長いと、筋肉への負担が大きくなると言われています。
かかと着地は、筋肉にかかる負担が大きな着地法ということになりますね(汗)
・着地の衝撃が大きい
かかと着地の衝撃は、体重の2倍~4倍くらいもあるといわれています!
体重が60kgのヒトなら、実に120kg~240kgの衝撃があるということになります(汗)
そりゃ~、膝も痛くなる(泣)
また、膝が伸びている状態で着地するので、着地の衝撃がダイレクトに伝わるといわれています。
膝や足への負担が大きいと考えられます。
かかと着地では、かかとが地面についたときとその後の足裏が地面についたときの2段階で着地の衝撃が発生し、結果的に衝撃が大きくなるという研究データもあります。
(2)足裏着地
ドラマ「陸王」でも話題となったミッドフット着地です。
足裏着地の特徴
・衝撃が軽減される
足の裏全体で着地するので圧力の分散が起こり、衝撃が軽減されることが考えられます。
(反作用の力は変わりませんが・・・)
・推進力が邪魔されない
足裏着地の場合、かかと着地のように進行方向と逆の力が働きにくいことがわかります。
力のロスが少ないといえますね!
・地面との接地時間が短い
足の裏 → つま先
という経路になります。
かかと着地に比べると地面との接地時間は短くなります。
その分、筋肉への負担が軽減されると考えられます。
(3)つま先着地
ケニアなどアフリカの選手に多く見られる着地法で、人間本来の着地だといわれています。
フォアフットの特徴
・推進力が生まれる
着地で生じた反作用の力を推進力として利用することができます。
力の効率がいい走り方になります。
・地面との接地時間が短い
つま先着地は、3種類の着地法の中で地面との接地時間が最も短くなります。
筋肉への負担が少なくなると考えられます!
・足への負担が小さい
大きくジャンプしたときをイメージしてみてください!
どこから着地しましたか?
つま先から着地したのではないでしょうか。
理由としては、つま先から着地するほうが衝撃が軽くなるからです。
つま先着地は、まさにコレです!
つま先着地は、かかと着地が体重の2~4倍の衝撃であるのに対して、1.5倍くらいに軽減されるという報告もあります。
・日本人には向いていない
つま先着地では「腱」を利用して走るそうです。
といわれても、よくわからないですよね(汗)
正直、僕もよくわかりません。
つま先着地は、アキレス腱が長いアフリカなどの外国人選手には向いていて、アキレス腱が短い日本人には向いていない着地法だそうです。
3.どの着地がいいのか?
3つの着地方法の特徴をみてみましたが、どの着地法が良さそうですか?
着地の特徴からすると、つま先着地が一番効率いいことになります。
「それなら、つま先着地を目指そう!」
となるかというと、どうやらそうではないらしいです。
先ほどもお伝えしましたが、トップランナーを含めて日本人ランナーの多くは「かかと着地」です。
それは、慣れ親しんだ走り方であることが理由の一つとして挙げられています。
「かかと着地」から「足裏着地」・「つま先着地」にフォームチェンジすると、いくら筋肉への負担が軽減するといっても、負担がかかる部分が異なるためにケガにつながる可能性があるからだそうです。
上半身しか鍛えていないヒトが、急に下半身を鍛えようとするとケガをしますよね。
コレと同じで、普段使っていない部分を使うからケガのリスクが高くなるということですね!
トップランナーはどうか?
実際に、日本人のトップランナーはどうでしょうか。
高橋尚子選手
2000年のシドニーオリンピックで金メダルを獲得した「Qちゃん」こと、高橋尚子選手。
かかと着地ではなかった
と、そのコーチが話しています。
コーチは、
早く走るために、このままかかと着地はしないように
と指導されたそうです。
野口みずき選手
2004年のアテネオリンピックで金メダルを獲得した野口みずき選手。
かかと着地だったのではないかと思われます。
川内優輝選手
ゴール直後に倒れ込む激走ランナー、川内優輝選手。
かかと着地ではないと思われます。
日本人のトップランナーであっても着地方法はマチマチであるということです。
野口みずき選手のように、かかと着地であっても金メダルを獲得しているので、かかと着地がいけないわけではないことがわかります。
着地法に関して、有森裕子さんが
着地に関してはさほど意識しなくても支障なく走れた
自分が最も走りやすいと思う位置で着地すればいいと思います
「日経Gooday」
といっています。
その他、多くのマラソントレーナーも、
着地法にこだわりすぎてはいけない!
といっています。
効率を考えたら、足裏着地やつま先着地になるのでしょうが、自分にあった着地法が一番いいということですね!
4.骨盤前傾が着地法を変える!
それでも僕は、足裏着地をおススメします!
(つま先着地にもいずれはチャレンジしてみたいと思っています。)
というよりは、自然と足裏着地に(近く)なります。
その理由は、骨盤の傾きにあります。
骨盤を前傾させると重心が少し前に移動する分、着地位置が重心に近くなります。
そうなると自然と足の裏で着地することができるようになります!
骨盤が後傾していると、重心よりも前に着地することになり、必然的にかかと着地となります。
着地を意識するよりは、骨盤を意識して走るといいと思います!
実際に、骨盤前傾で足裏着地に近い状態になると、走っているときの膝の痛みが軽減されます!
(痛いことは痛いですが、痛みが軽減する分、長く走ることができています。痛いですが(汗))
まとめ
マラソンの着地法は3つある。
- かかと着地
- 足裏着地
- つま先着地
効率はつま先着地がいいが、フォームチェンジに伴うケガのリスクがある。
かかと着地でも金メダルをとっている選手がいる。
結局、着地はあまり意識せずに自分にあった着地が一番といわれています。
そうはいっても、まずは足裏着地がおススメ!
着地を意識するよりも、骨盤の前傾を意識すると自然と足裏着地に近くなる。
骨盤前傾は色々なメリットをもたらしてくれるので、ぜひ意識してみてください!!
覚書き:
11km走破(10km/h)
今月の目標100kmまで、あと19km